鹿せんべい長文置き場

Twitterに書ききれない長文をつらつらと

Pak192.Comicから車両アドオンを移植しよう

実はアメブロからはてなブログに引っ越していました。鹿せんべいです。

この記事はSimutrans Advent Calendar 2023 12月19日分の記事です。

一年に一度アドカレの時だけ存在を思い出すこのブログですが、今年はpak192.Comic(以下192c)のアドオンをpak128.Japan(以下128jp)に移植しようという内容です。

なお、アドオン自体の作成手順は日本語化wikiなどを参照してください。

はじめに

2023年4月、192cのGitHubにおいて、Vehicle(乗り物)アドオンを様々なパックセットに適応したサイズに処理したものが公開されました。128jpに関してはDiscordサーバー「シムトランス交流会議」内でのやり取りを経て加工方法が決定され、128jpのやや大きいサイズに極力合わせるためpak144サイズでの画像が公開されました。

自動で処理されているため、人力で修正する必要がある点もいくつかあります。以下の手順を踏むことで、192cの車両を自然な形で128jpに導入することができます。

※宣伝:交流会議への参加はこちらから!

※なお、処理はスクリプトを用いて自動的に行われていますが、私にはちんぷんかんぷんなのでこの記事では触れません。コードはGitHubで公開されています。

 

制作

スイス連邦鉄道(SBB)の車体傾斜式高速車両、RABe503を例に解説していきます。

1.ダウンロード

2.png加工

・車体延長

・発光色

・欠損ドット

(・ブラッシュアップ)

3.dat加工

・画像指定

・オフセット

・コスト

・貨物

・copyright

4.公開するための諸々

1.ダウンロード

GitHub上のリリースページからからソースをダウンロードします。

Other Paksetsの項にあるリンク(黄色い部分)をクリックするとダウンロードできます

フォルダ内からdatとpngを探します。複数フォルダにソースが分かれており、datとpngの名前も必ずしも一致していないので頑張って探してください。

今回はElectric_2009_RABe503.datとElectric_2007_RABe503.pngを使います。

2.pngの加工

・車体延長

車体間に隙間が空いている

cut&pasteとcopy&pasteでペタペタ延長
窓割などはいい感じにごまかしましょう

縮尺の都合上、車体間に隙間が空いているため各方向の画像を延長します。

/・\・|向きは奥側に2ドット、ー向きは両端2ドットずつの計4ドット延長しました。

描画位置を他アドオンと合わせる(後述)ために延長方向は統一しておくことをお勧めします。

適宜pak化して確認しながら調整するのがいいでしょう。

※144サイズでpak化する必要があります。

 

・発光色

発光色4D4D4DをGIMPで色域選択した状態
発光させたくない箇所がこの色になっている

縮小によってライトまわりの発光色が消えてしまったり、逆に意図しないドットが発光色になっているので修正します。

 

・欠損ドット

台車回りのドットが欠けている

192cはコミックらしい車両のふちどりが特徴的ですが、これを自動消去した際に車体のドットも欠けていることがあるので適当な色で埋めます。GIMPで透明部分を色域選択すると見つけやすくなって便利。

 

・ブラッシュアップ

上:元画像 下:ブラッシュアップ後

サイズ感の違いやふちどりの有無などから、128jpサイズにすると描画に違和感が生じることもあります。気になる場合は手を加えるのもいいでしょう。今回は行いませんでした。

 

3.datの加工

・画像指定

デフォルトの状態
日本で一般的な向きの順序とは異なる <$0>は簡略記法だそう

画像指定がGitHub上での指定になっている(多分)ため、画像名を一致させます。

・オフセット

128jpの車両描画位置に合わせるためオフセットをかける必要があります。

オフセット量が向きごとに異なるため、見慣れた形式に書き直してオフセットの設定を加えます。

ーーーーーコピペ用ーーーーー

emptyimage[s]=画像名.0.1,-18,9
emptyimage[e]=画像名.0.0,16,8
emptyimage[se]=画像名.0.4,0,-3
emptyimage[sw]=画像名.0.7,-8,0
emptyimage[n]=画像名.0.3,-16,8
emptyimage[w]=画像名.0.2,16,8
emptyimage[nw]=画像名.0.6,0,-2
emptyimage[ne]=画像名.0.5,7,0

ーーご自由にお使いくださいーー

延長方向が変わらなければこのオフセット量で位置が合い、他の車両と連結しても違和感がなくなるはずです。合わなければこの数字をいじるか、pngの方を調整しましょう。

面倒ではありますが、どんな車両であれ連結できればプレイの可能性が広がりますし、後々不都合が生じることもありません。

・コスト

128jpのコスト計算に基づいた値に変更します。

・貨物

一等車の貨物をPassagiereからPostに変更します。

・copyright

言わずもがな。私はさほど大きい改造でなければ原作者の名前を残して末尾に自分の名前を加える派です。

 

4.公開するための諸々

試運転による位置・発光色の確認、jatab・readmeの作成、サムネの撮影などを行って完成です。

今回はこれらの工程を経て公開するまで2時間ちょっとでした。

ちなみに完成品はportalで公開しています。

活用

車体長さ・位置の調整などpak化と修正の繰り返しが必要な部分もありますが、調べるのにも手間がかかる海外の車両を数時間でアドオンとして遊べるようにできる効果は絶大です。

公開されたソースは高速列車、近郊電車、通勤電車、機関車・客貨車、地下鉄、トラムなど鉄道車両に留まらず、船、トラックなど膨大な数がありますす。海外プレイのみならず、一般的なプレイで使えるアドオンも多くあります。一度覗いてみてはいかがでしょうか。

これを読んだ一人でもpak192.Comicからの移植に興味を持ち、国境なきSimutransをより楽しくしてくれることを願っています。

 

また、移植するだけでなく、顔の部分など描くのが難しい・描画コストが高い一部分を流用・改造してアドオンを作成することもできます。

ドイツ鉄道(DB)の制御客車 顔の部分は192cのアドオンから流用・改造している

近況?報告

去年の今頃はお受験勉強をしながらせっせとアドオンを作っていた気がします。現実逃避先として全ての逃避衝動を注ぎ込んだ結果、去年度は22セットものアドオンを公開することになりました。シムトラをしようが何をしようが受かるとき受かるし落ちるときは落ちます。受験生各位においては頑張ってください。

2022年度に作ったアドオン

そんなこんなで今年に入ってから無事北の大地に移住することができました。車を走らせては山をほっつき歩いてシムトラは大して遊ばず、たまにアドオンをいじっては仕掛け品の山を築いています。

札幌近郊にいい山が沢山あるのが悪い

来年は仕掛け品を完成させつつ、単純で拡張性の高い産業や、機関車・近郊通勤車中心に海外型を拡充していきたいなあとぼんやり考えています。チラ見せばっかりして成果物が出てこないがっかりするタイプのアレになってしまっている自覚はあるので来年は頑張ります。今年もお世話になりました。

よいお年を!

鹿せんべい製シムトランス海外アドオンまとめ

製作したsimutransアドオンは全てポータルに上げていますが、海外アドオンとしてまとめておきたかったのでここに一覧表示します。随時更新。

オーストリア国鉄(ÖBB)

・ベクトロンセット
ÖBB1293型/ČD193型/ČDCargo383型/ZSSK383型/Regiojet193型

DBCargo193型/NS193型/DSB3200型/MRCE X4E型/プレイヤーカラー

 
 

・タウルスセット

1116/1216型 通常塗装・レールジェット塗装(ÖBB/ČD)・ナイトジェット塗装

https://ux.getuploader.com/Sika_sen_be/download/4

 

 

・レールジェットセット※中欧客車セット内

230km/h通常仕様(ÖBB/ČD)・おまけの275km/h仕様(ÖBB)

https://ux.getuploader.com/Sika_sen_be/download/33

 

 

・ナイトジェット・ユーロシティ・インターシティ客車セット

中欧客車セット内

UIC–Z型客車他EC・IC用車両(Bmz73/Bmpz70/Amz73/ADbmpsz73/WRmz73)

Nightjet用車両(Bmz73/Bcmz73/WLABmz61-80/WLABmz61-81)

車運車(DDm51)

輪行産業(下記)とチッキ産業の導入推奨

https://ux.getuploader.com/Sika_sen_be/download/33

 

 

ドイツ鉄道(DB)

・ICEセット

ICE1/ICE2/ICE3/ICE-T/ICE-TD

https://ux.getuploader.com/Sika_sen_be/download/36

 

 

・ユーロシティ・インターシティ客車※中欧客車セット内

IC mod(Apmmz126/Avmmz106/Bpmmz284/Bpmmdz284/Bvmmsz187/ARkimmbz288/

Bpmmbdzf286)

https://ux.getuploader.com/Sika_sen_be/download/33

 

 

スイス連邦鉄道(SBB)

・SBB機関車セット

Re420(Re4/4)/Re620(Re6/6)/Re460(ロゴ有・無)

https://ux.getuploader.com/Sika_sen_be/download/24

 

 

・SBB客車セット※中欧客車セット内

IC2000(Bt/B/BR/A/AD)

EW IV系(Bt/B/A)

EC客車(Bpm61/Apm61 1090/Apm61 1990)

輪行産業の導入推奨

https://ux.getuploader.com/Sika_sen_be/download/33

 

 

チェコ鉄道(ČD)

・ČD客車セット※中欧客車セット内
UIC–Z型客車他EC・IC用車両
(Bmz226/Bmz232/Bdmpee233/Bmz241/Bbdgmee236/Ampz146
ARmpee829/WRmz815/WLABmz826)

輪行産業(下記)の導入推奨

https://ux.getuploader.com/Sika_sen_be/download/33

 

 

鉄道企業体スロバキア(ZSSK)

・UIC型客車※中欧客車セット内
UIC-Z型(Ampeer61/Bmpz61/Bmz61/Bdghmeer61/WRRmeer61/WLABmee62)
UIC-Y型(Bdteer61/Bdteer50/Apeer61/Aeer61/Beer61/Bdt50/Bpeer61-2070/
                Bpeer61-2970/BDsheer61/WRReer61/WLABee51/Bc51)
 

民営事業者

・Regiojet客車セット※中欧客車セットに統合

(Bmpz61 20-90/Bmz61 28-91/Bmpvz61 28-90/Ampz61 18-91

Amz61 19-90/Bcmz51 59-70)

https://ux.getuploader.com/Sika_sen_be/download/33

 

 

その他

・国際海上コンテナセット

コキ107・200/海外風貨車length9・12

ONE・MAERSK・EVERGREEN・川崎汽船中欧班列

https://ux.getuploader.com/Sika_sen_be/download/25

 

 

・欧州ピギーバックセット

T3000e/トレーラー

WINNER・WALTER・DHL・DB SHENKER

https://ux.getuploader.com/Sika_sen_be/download/35

 



 

・KSN式架線追加セット

海外風架線柱各種

https://ux.getuploader.com/Sika_sen_be/download/32

 

 

前提アドオン

輪行産業

車・バイク・自転車の生産/消費施設

マニ50(MOTOトレイン塗装・バイク積載))

ワキ10000(自動車積載)

B.B.Base(自転車積載)

カートレイン用スロープ

https://ux.getuploader.com/Sika_sen_be/download/38

 

 

他作者様の作品

こちらも合わせて楽しめます

・海外風客車セット for pak128.japan(テヌキ車両様)

Simutrans Addon Portal 掲載先

 

・海外風貨車セット for pak128.japan(テヌキ車両様)

Simutrans Addon Portal 掲載先

 

・フランスやウクライナなど海外車両多数(ウィルソン様)

個人サイト公開先

 

・Simutrans Addon Portal 海外タグ

Simutrans Addon Portal

 

・Simutrans日本語化wiki海外車ページ

Addon128Japan / 第三セクター / 海外 / Other Country

 

・Simutrans的な実験室 海外車索引

addon/series/overseas

国境なきSimutrans〜欧州を中心に〜

※以前Amebaブログに掲載していた記事を移転しました

 

Simutrans Advent Calendar 2021 12月16日分の記事です。

本日は12月16日、オーストリア連邦鉄道(ÖBB)1216型の日です。

このために今日の枠を取りました。

 

この記事はこの一年ほどsimutransに海外鉄要素を取り入れて遊んできて感じた、私なりの

・欧州の車両・運行形態を取り入れる楽しさ

・実際にプレイする・アドオンを作る際に役立つサイト

についての記事です。

海外の要素を取り入れることで、車両の選択肢が広がり、運行形態の選択肢が広がり、より魅力的な交通が実現できるかもしれません。私自身海外鉄に興味を持って日が浅く、趣味趣向が偏ってはいますが、その一端を紹介します。 

*この記事編集時(2021.12.15)時点で運行が決定している未運行の列車の情報も含まれています。

 

各地の実態に合わせて進化した多様な車両

制御客車を用いた機回し不要の客車列車であるペンデルツークや、電車か客車かを問わない2階建て車両などが数え切れないほど活躍しています。動力集中方式や、クロスシート主体の構成など非効率とされるものでも一定の対策を講じることができます。

スペインでは1668mm軌間を採用したため古くから軌間可変車両が発達し、今では300km/h走行を行う車両も登場しました。タルゴの名前で知られ、現在では比較的手軽な高速鉄道として世界各地に輸出されています。

 

高速列車

 ・320km/hの2階建て高速鉄道TGV 

・電車列車・客車列車に加えて振り子気動車による運行までも試みたICE

・230km/hの客車列車レールジェット 

・200km/hの電化・非電化デュアルモード車class 800 

・300km/hの軌間可変列車タルゴ

などなど、高速新線と在来線を織り交ぜた中高速鉄道が多くあります。在来線と新幹線の二択ではなく、130~320km/hの間の速度に柔軟に対応できます。新在直通も簡単です。規格型優等客車の中には最高速度200km/hの車両もあります。 

 

ネオ国鉄として

今なお現役の鉄道連絡船による高速鉄道車両を含めた航送や再興し進化を続ける夜行列車網など、かつての日本国鉄の延長線上の様な光景を見ることができます。

 

鉄道会社の競合

私鉄同士の中長距離の競合、オープンアクセスによる同一線路上での(旧)国鉄vs私鉄の列車の競合、更には異なる国の旧国鉄vs国鉄の競合も存在します。

 

高性能な機関車 

軸重を始めとした制限の少なさや動力集中方式の継続採用により、大出力高速度の機関車が多く存在します。

・1~4電源対応電気機関車“タウルス”最高速度〜230km/h、定格出力〜6400kW

・1~4電源対応電気機関車“ベクトロン”最高速度〜200km/h、定格出力〜6400kW

ディーゼル型・デュアルモード型も存在)

スイス国鉄の単電源対応電気機関車Re460 最高速度200km/h、定格出力6100kW

近年の機関車はメーカーの製品を各鉄道事業者がそれぞれの仕様に合わせて発注するセミオーダー型のものも多く、オリジナル塗装で発注した設定も可能です。

 これらの機関車を活用することで、客貨問わず、より大量に、より高速に輸送ができます。 

 

 

 もちろん現実は素晴らしい側面ばかりではありませんが、よい部分を取り入れれば、大陸的な要素も多いゲームであるsimutransをより楽しめるのではないでしょうか。

これらの運行形態をJRを始めとした日本の列車たちと組み合わせるのも好いものです。

 

プレイに役立つサイト

Wikipedia

基本的なことは大方教えてくれます。メジャーな車種であれば英語・ドイツ語・フランス語の内最低一つはページがある…ことが多いです。Google翻訳にURLを貼ると翻訳されたページに飛べます。

 

・Vagonweb

チェコのサイトで、主に中東欧の国々の列車編成・内外装の写真・各車両の設備などが分かります。

英語で表示できます。

※2021年12月、将来的な更新の縮小が発表されました。過去のものは引き続き閲覧できます。

アドオン作成に役立つサイト

このページを見ればすべて分かる、というサイトはまだ見つかっていません。基本的にはGoogleで画像や情報をあれこれ調べる必要があります。

Tips

・特に屋根上を知りたい場合模型の写真が参考になりやすいため「○○ model」と検索する

・「BR ○○」のBRはドイツ語で型式の意味

・öäüの様な文字上の・・(ウムラウト)はeを付けて代替表記されることがあります。

 例:オーストリア連邦鉄道ÖBB→Oebb

・車体側面に国際標準表記で重量や最高速度の表記がある車両もいる

 

Wikipedia

言わずもがな。ただしアドオンを設定するのに情報が足りないことが多々あります。

 

・Vagonweb

このサイトはアドオン作成で真価を発揮すると言っても過言ではありません。

Descriptionsページでは、

・真横から見た図(マウスオーバーで反対側も見られます)

・最高速度/定員/登場時期

といった作成に必要な情報があらかた得られます。掲載国が限られる点、重量は分からない点に留意が必要です。重量は写真ページの車体表記の写真から読み取れることもあります。

 

・Deutsche-Reisezugwagen.de

ドイツ車の各諸元が分かります。重量を書いてくれているので神。

 

・Atlas vozů.cz

.czとあるようにチェコの鉄道を主に扱ったサイトの車両ページです。重量を書いてくれているので神。

 

・Vorbild - Übersicht

スイスの鉄道を主に扱ったサイトの車両ページです。重量を書いてくれているので神。

 

64系、128系は海外からアドオンを輸入できますが128.japan規格はまだまだ少ないのが現状です。さらなる拡大を願ってやみません。

 

 

以上、乱筆を読んでいただきありがとうございました。